胃の疾患・症例
胃は腹部にある袋状の臓器で、食道と小腸の間にあります。小腸は十二指腸、空腸、回腸の3つの部分に分かれており、胃の出口は十二指腸とつながっています。
胃がん
胃がんとは・・・

胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞になったものです。はじめは30~60μmの大きさで、年単位の時間がかかって5mm程度の大きさになるころから発見可能になります。
そのため、胃がん検診などで見つけられる大きさになるまでには、発生から何年もかかるといわれています。
「早期がん」・・・粘膜~粘膜下層
「進行がん」・・・筋層~漿膜
症状

胃がんは、早い段階で自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合があります。
代表的な症状は、胃痛・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振、体重減少などがありますが、これらは胃がん特有の症状ではなく、胃炎や胃潰瘍の場合でも起こります。
検査をしなければ確定診断はできませんので、症状に応じた胃薬をのんで様子をみるよりも、まず医療機関を受診し、検査を受けることが重要です。
急性胃炎
急性胃炎とは・・・
急性胃炎は、さまざまな原因で起きる胃粘膜の炎症で、日常的にも起こりやすい病気です。 大きくわけて、暴飲暴食・アルコールや薬、ストレスなどの刺激によるものと、感染症やアレルギーなど体の中からのものが上げられます。
症状
胃のあたりに不快感や痛み、胃のむかつきや嘔吐(時には吐血することも)、食欲不振などがあります。
慢性胃炎(表層性胃炎・萎縮性胃炎)
慢性胃炎(表層性胃炎・萎縮性胃炎)とは・・・
慢性胃炎の初期を「表層性胃炎」といい、粘膜は赤く充血しています。表層性胃炎が何年も続くと「萎縮性胃炎」に変わります。この時、粘膜は薄くザラザラになっています。 表層性胃炎が「炎症の火が燃えた状態」にたとえるなら萎縮性胃炎は「燃え尽きた後」にたとえられます。細胞が分裂する活力を失い、細胞の数が減少します。粘膜が薄く、もろくて弱くなります。内視鏡検査で見られる慢性胃炎はそのほとんどがピロリ菌の感染により起こると言われています。
症状
症状はない場合が多いのですが、上腹部痛、腹部膨満感、吐き気などの症状が起こることもあります。
■参考
内視鏡.COM
胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍とは・・・
ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症薬、胃酸などによって、胃や十二指腸の粘膜が傷つけられ、粘膜や組織の一部がなくなる病気です。
症状
上腹部の痛みや胸やけ、膨満感、食欲不振などの症状が起こります。症状は数日ないし数週間続き、胃潰瘍では食後、十二指腸潰瘍では夜間や空腹時の痛みが特徴的になります。潰瘍から出血した場合には、血を吐いたり、便が真っ黒くなることがあります。